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クモと光の活用

我々人類を含む哺乳類は紫外線を視認する能力を欠いている. これは,恐竜が全盛期の時代,哺乳類は隠れるように夜に活動をしていたため,紫外線を視認する必要がなくなったためであると考えられている. 一方,クモや昆虫,鳥などの哺乳類以外の動物は紫外...
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クモと呼吸器官

昆虫は気管で呼吸をしている. 一方,クモは気管に加えて「肺」で呼吸をしている. 但し,「肺」と言っても脊椎動物の肺とは発生学的に異なる. クモの「肺」は鰓から進化したものであり,「書肺」と呼ばれている. ①クモの「肺」の進化 クモを含む上位...
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山梨県とゲンジボタル

ホタルは河川環境の状態を反映する指標生物とされている. しかし,意外にも本州に棲息する水棲のホタルはゲンジボタルとヘイケボタルの2種だけである. ヘイケボタルは大陸にも分布するが,ゲンジボタルは日本の固有種である. 更に近年の遺伝学的研究に...
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ウズグモ科の不思議な生態

ウズグモは私が最も好きなクモのひとつである. 当ブログのキャラクター「土蜘蛛みやこ」のモデルもこのウズグモである. ウズグモには他のクモにはない特徴があり,本記事ではその面白さを述べる. ①ウズグモの横糸には粘球を使わない 一般的なクモでは...
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山梨県とカマツカ

カマツカは河川の底を這って泳ぐ淡水魚である. 河川の砂を網で掘ると,偶然に採れることもある. 元々カマツカ属は1種であったが,近年の研究で3種に分かれることが判明した. 山梨県には2種のカマツカ属魚類が棲息するため,本記事ではその紹介をする...
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山梨県とアブラハヤ

アブラハヤは山梨県では最もよく観察される淡水魚である. かくいう私が初めて採集した淡水魚もアブラハヤであり,研究の道に進むきっかけとなった魚だ. アブラハヤの亜種には富士五湖に固有のヤマナカハヤがおり,既に絶滅したとされている. しかし,富...
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クモの生殖戦略(メス編)

造網性のクモについて,多くの場合はメスがオスよりも体が大きい. 特にジョロウグモでは,オスのサイズを人間と考えた場合,メスは象くらいのサイズになる. なぜ,このようにオスとメスの間で体の大きさに明瞭な差が生じたのであろうか. 研究者たちの考...
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クモと生殖戦略(オス編⑤)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編④)」の続きである. オスは交接が終わってからも安心はできない. 自分が交接を済ませたメスを狙って別のオスがやってくるのだ. ある種では,既に交接を済ませた別のオスの精子を生殖孔から掻き出す行動が観られる....
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クモと生殖戦略(オス編④)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編③)」の続きである. 前回記事の通り,メスに共食いされてしまうリスクを背負いながらオスは交接を仕掛ける. しかし,逆に共食いされることを受け入れるオスもいるという. 本記事では,オスが共食いされることの意義...
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クモと生殖戦略(オス編③)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編②)」の続きである. クモは孤独を好む性質が強く,配偶者であろうが子供であろうがお構いなく食ってしまう. また,メスはオスよりも体格の大きいことが殆どであり,多くの場合オスはメスに力負けする. そのため,メ...