研究 クモと生殖戦略(オス編②) この記事は「クモと生殖戦略(オス編①)」の続きである. ハエトリグモなど視力の良いクモでは,オスがメスに対して求愛ダンスをする. 求愛ダンスにどのような意義があるのか,本記事では2つの意義を紹介する. ①意義1:互いに同種であることを確かめ... 2025.02.12 研究
研究 クモと生殖戦略(オス編①) クモのオスはできるだけ多くの卵を自分の精子で受精させたい. 一方,クモのメスは産める卵の数に限りがあるからできるだけ交接の回数を少なくした上で優秀なオスの子を残したい. オスとメスは繁殖に関して異なる利害関係にある.利害の不一致(性的対立)... 2025.02.10 研究
研究 山梨県とタイリクウズグモ タイリクウズグモは白色でもふもふで,その見た目はシマエナガのようである. 『日本のクモ』(新海)で本種は「採集記録は極めて少ない」とされ,稀少なようである. また,日本で山梨・長野・和歌山でしか観察されず,その不思議な分布が大変興味深い. ... 2025.01.19 研究
研究 クモと耐寒性 クモの多くは熱帯に起源を持つが,熱帯から温帯に分布域を拡大し始めた最,温帯における冬の存在は定着にあたって大きな障壁となったことと考えられる. クモは様々な戦略を進化させることにより,冬の寒さを克服してきた. ①体が凍らないための戦略(凍結... 2025.01.04 研究
研究 クモと消化器官 クモをキャラクターとして描く際,巨大な牙が描かれることが多い. 巨大な牙は「鋏角」と呼ばれ,クモを含む一連の分類群を特徴づける重要な形質である. しかし,凶暴に見える牙のイメージとは裏腹に,多くのクモは歯で噛むような「咀嚼」をしない. 寧ろ... 2024.12.11 研究
研究 クモの進化 クモの所属する鋏角類は,大昔に海に棲んでいた. 現在でも,原始的なグループ(カブトガニ)は海に棲んでいる. 現在クモは陸に棲み,糸や網など他の生物にはない特徴を獲得している. 新しい形質の獲得には,常に新しい環境への適応と関係がある. 本記... 2024.11.24 研究
研究 クモとバルーニング クモには昆虫のような翅がない. しかし,新しく成立した島においてクモはパイオニアになりやすい. これは,クモは糸を凧揚げのように扱うことで,空を飛ぶことができるからである. 本記事では,クモが空を飛ぶ性質「バルーニング」について紹介する. ... 2024.10.28 研究
研究 節足動物の分類 節足動物は,鋏角亜門・多足亜門・甲殻亜門・六脚亜門に分けられる. 我らがクモは,この中で鋏角亜門に分けられる. 生物分類技能検定2級動物部門では,この分類に関する問題が頻出される. 自身の備忘録のためにも,私が勉強したことを本記事にまとめて... 2024.09.21 研究
研究 トリノフンダマシ亜科の進化 トリノフンダマシはコガネグモ科トリノフンダマシ亜科に属するクモである. 本グループは鳥の糞やテントウムシに似ており,捕食者からの攻撃を防ぐ擬態能力を持つ. しかし,本グループには擬態の他に,張る網にも特徴がみられる. 本記事では,トリノフン... 2024.08.13 研究
研究 クモと7種類の糸 土の中で暮らすクモ,地面を走り回るクモなど,全てのクモが網を張るわけではない. しかし,全てのクモは糸を生成する能力を有する. 同じ糸を生成する生物にカイコがいるが,カイコが1種類の糸しか生成できないのに対し,クモは用途に応じて7種類の糸を... 2024.08.08 研究