土蜘蛛みやこ

研究

クモの生殖戦略(メス編)

造網性のクモについて,多くの場合はメスがオスよりも体が大きい. 特にジョロウグモでは,オスのサイズを人間と考えた場合,メスは象くらいのサイズになる. なぜ,このようにオスとメスの間で体の大きさに明瞭な差が生じたのであろうか. 研究者たちの考...
研究

クモと生殖戦略(オス編⑤)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編④)」の続きである. オスは交接が終わってからも安心はできない. 自分が交接を済ませたメスを狙って別のオスがやってくるのだ. ある種では,既に交接を済ませた別のオスの精子を生殖孔から掻き出す行動が観られる....
研究

クモと生殖戦略(オス編④)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編③)」の続きである. 前回記事の通り,メスに共食いされてしまうリスクを背負いながらオスは交接を仕掛ける. しかし,逆に共食いされることを受け入れるオスもいるという. 本記事では,オスが共食いされることの意義...
研究

クモと生殖戦略(オス編③)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編②)」の続きである. クモは孤独を好む性質が強く,配偶者であろうが子供であろうがお構いなく食ってしまう. また,メスはオスよりも体格の大きいことが殆どであり,多くの場合オスはメスに力負けする. そのため,メ...
研究

クモと生殖戦略(オス編②)

この記事は「クモと生殖戦略(オス編①)」の続きである. ハエトリグモなど視力の良いクモでは,オスがメスに対して求愛ダンスをする. 求愛ダンスにどのような意義があるのか,本記事では2つの意義を紹介する. ①意義1:互いに同種であることを確かめ...
研究

クモと生殖戦略(オス編①)

クモのオスはできるだけ多くの卵を自分の精子で受精させたい. 一方,クモのメスは産める卵の数に限りがあるからできるだけ交接の回数を少なくした上で優秀なオスの子を残したい. オスとメスは繁殖に関して異なる利害関係にある.利害の不一致(性的対立)...
研究

山梨県とタイリクウズグモ

タイリクウズグモは白色でもふもふで,その見た目はシマエナガのようである. 『日本のクモ』(新海)で本種は「採集記録は極めて少ない」とされ,稀少なようである. また,日本で山梨・長野・和歌山でしか観察されず,その不思議な分布が大変興味深い. ...
研究

クモと耐寒性

クモの多くは熱帯に起源を持つが,熱帯から温帯に分布域を拡大し始めた最,温帯における冬の存在は定着にあたって大きな障壁となったことと考えられる. クモは様々な戦略を進化させることにより,冬の寒さを克服してきた. ①体が凍らないための戦略(凍結...
研究

クモと消化器官

クモをキャラクターとして描く際,巨大な牙が描かれることが多い. 巨大な牙は「鋏角」と呼ばれ,クモを含む一連の分類群を特徴づける重要な形質である. しかし,凶暴に見える牙のイメージとは裏腹に,多くのクモは歯で噛むような「咀嚼」をしない. 寧ろ...
研究

クモの進化

クモの所属する鋏角類は,大昔に海に棲んでいた. 現在でも,原始的なグループ(カブトガニ)は海に棲んでいる. 現在クモは陸に棲み,糸や網など他の生物にはない特徴を獲得している. 新しい形質の獲得には,常に新しい環境への適応と関係がある. 本記...